お醤油蔵を訪ねて〜天然菌醤油編

こちらの写真、何だかわかりますか?

テレビや本でご覧になったことがある人、
実際に訪ねたことがある人、いらっしゃいますか?

答えは、木桶でもろみを仕込んでいるところ。
1年~2年かけて、発酵と熟成の期間を経て、
こちらのもろみを、布袋に入れて搾って、
お醤油になるそうです。

静岡県、掛川市にある栄醤油さんを訪ねました。
今の社長さんのお母様が、自然栽培の創始者である
岡田茂吉さんに「これから何年か先、食べるものが
たくさんあっても食べるものがない時代がやってくる。
あんたはそのために本物を作りなさい」と言われ、
何を言われているのか初めはわからずにいたそうです。

当時は戦後の統制下にあり、月一度配給、割当も
少ない中、アミノ酸で旨味をつけた醤油や醸造期間も
長くかからない、値段も安いものが出回るような時代です。
栄醤油さんのところには、フランスで正食の研究をしていた
桜沢リマさんや後に自然食品店をつくった方などが訪ねてきて
「生命を守るため、人のためにどうしても本物を売りたい、
 だから本物の醤油をつくってほしい」と何度も何度も
話し合いがもたれたそうです。

決心をした今の社長のお父様が原料の調達に奔走し、
本格的に自然醤油を作ることにされ、今に至ります。

本物の醤油、自然な醤油、
このどちらの言葉も定義は難しいところです。
人それぞれに、見方、感じ方、大切にしたいことは
異なりますし、これが正しいということもないような
気がするし。

栄醤油さんは天然菌発酵の醤油「蔵の雫」を作っている
たったひとつの醤油蔵さんです。「蔵の雫」ができるまでも
きっと、先代の社長さんのときのように何度も何度も
話し合いがもたれて、うまれたことでしょう。

蔵に棲む菌たちに囲まれ、
木桶の中に仕込まれている「蔵の雫」を目にし、
お話を伺いながら、何とも言えない幸福感につつまれました。

本物とか自然とか、決して言葉だけにとらわれることなく、
やってみて、やめたり、やり直したりを心の奥の声に
従って、取りくんでいるピュアーな人たちの感性にふれると
私の中の何かは反応するようです。

栄醤油のみなさま、ありがとうございました。
食材店KURAでは栄醤油さんで仕込まれている、
ナチュラル・ハーモニーさんの「蔵の雫」好評販売中です。

そして、栄醤油さんが撮影場所につかわれている、
醤油の作り方が子ども向けにわかりやすく作られている本と
「蔵の雫」の原料なども今、KURAの店頭でご覧いただけます。

お醤油選びのご参考に、ぜひご利用くださいね。 星野

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