がんばろうと思えたできごとがありました

ここ数年、夏か冬しかないねーと季節の極端さが問題とされていましたが、今年は秋がちゃんとあって、穏やかな小春日和がつづきよい気分。自然栽培全国普及会主催「自然と調和したいきかた」連続講座のお仕事で先週は山梨県の北杜市と山梨市へ行き、道中の窓からの眺めで秋の行楽気分を味わいました。みなさん、1週間いかがお過ごしでしたでしょうか?

連続講座も7回目「天然菌発酵について」は、このコラムを読んでくださっている方の多くはおそらく受講生が多いのではないかな?と思いますので、内容かなりディープなこともご存じですよね。まだ聴いたことがないという方はぜひ受講おすすめします。私的に、これまで生きてきて衝撃のベスト3にかるく入る内容だと思えるものなのですが、なぜこの話は広まらないのかなーと不思議に思えてなりません。広まらない理由は経済効率によるものと思うと残念で仕方ないのですが、そうは言っても今はまだ誰もがあまり目を向けない部分ですが将来的には多くの人が気づくと思うのです。でも、まだまだ殺菌殺虫が正義とする社会なので、天然菌発酵の理解を受け入れる社会になるまでにはほど遠いのでしょうか。講師の河名さんと三好基晴先生の共著「発酵遺産」を読んでいただきたいです。うちの店ではただいま在庫切らしていますがナチュラル・ハーモニーのオンラインショップでは購入できるはず。日本が誇る(と言われている)発酵文化はもうすでにとっくの前に廃れていて、それを復活させたお話です。本当にすごいことって、あまり知られていないもんだとつくづく思います。そう思うと、自然栽培と天然菌発酵に出会えたのは本当にラッキーで、心底幸せと思えてなりません。生きている限り、この幸せを多くみなさんと分かちあうことが私の喜びだなあー再確認し、山梨から帰路につきました。

数日前のこと、お客さまの訃報の知らせがありました。カフェ時代のサンデールームに週一ペースでランチ、食材店になってからも週一お買い物に通われて思えば20年近いおつきあいになります。現代医療に頼らずストイックに食事に気をつかわれている方で普段は玄米食をされているようでしたが、ランチではいつも「おいしいね〜」と白米ごはんをおかわりしていました。ご高齢で体調を崩して以来、代わりにご家族が食材を買いに来てくださるようになり最近は、直接お目にかかることもなかったのですが、先日たまたまお電話をいただきしばらくぶりにおしゃべりしました。医師か栄養士か食事療法の先生かどなたかは分かりませんが、何らかの食事指導を受けているようで、その見立てとアドバイスを私に言うのですが、全く理解できないので私なりに思うことを伝えました。「あのねー、体にいい食べ物なんてないですよ。血液を増やす食材なんてないない!食べたいものを食べたらいいと思いますよ。何が食べたいの?無理して玄米食べなくても、白米食べたらいいですよ。だっておいしいじゃない!自然栽培の農産物はね、栄養素がどうのこうのという考えじゃなくてね、食べると〇〇さんの身体に今必要なエネルギーに転換するのよ。自然の力で育った農産物ってそういうものだから!もう、無理して栄養考えて、体のこと考えて食事するのはやめてくださいね」と言うと、「そうだよなー。お姉さんのいう通りだ。なんか元気になってきたよ。力がわいてきた」と声にも力がわいてきているように私にも聞こえました。亡くなる前日に白米をお召し上がりになったと聞いて、悲しいよりも「もっと早く白米食べてればいいのに」との思いがわいてきて、よし!と仕事のモチベーションがさらにアップするのでした。もっと早く伝えられたらよかったなーと悔やむきもちもあって。

9日に他界したとのお知らせを聞いて、なぜか山梨にいる間もずっと白いごはんが食べたくなって食べました。代わりにいっぱいごはんを食べています。2週間前の電話は私へのエール、お仕事がんばってねというもの。もっと早く多くの方に伝えらえるようにがんばりたいです。