日常の豊かさと便利さ

サンデールームの食材店は、もともと車が4台置けるくらいの駐車スペースに棚と台を置き、正面に引き戸をつけ、あとは壁に漆喰を塗ったり、土間と床板半々くらいで調整し、電気製品が多いので室内のアースはしっかりとっています。食材店に改装をして8年くらいが過ぎたかな?農産物にとっての心地よさ+働く人にとってもお客さんにとっても居心地よいお店、心から呼吸ができるような空間にしたかったのはかなっていたかなと思います。お店ができたばかりの頃、外から店内に入ると「ここ空気いいですね」とか「外にいるよりも呼吸が楽にできますね」とよく言われたものです。現に、私もそのように感じます。シャッターを開けて店内に入ると空気感がとてもいい、きもちいいお店だな〜と感じます。

サンデールームが食材店を始める以前の話ですが、この場所で季節ごとに日曜市というマーケットを開催していました。農家さん、パン屋さん、お菓子屋さん、料理家さんに声をかけて出店をお願いして、美味しいものがたくさんあるとお客さんがお客さんを呼び、とても賑わうイベントでした。でも、買い物って日常のことだよね?季節に1回だとふだんはみんなどうするの??毎月にしてみたり、それでも月一では毎週のお買い物はどうするの??お買い物って日常のことだよねという思いがだんだんと大きくなり、そんな時の大震災で、やっぱり食糧を自分で手に入れることは日常であらねばならない!そんな使命感にかられてしまい、街の中にあるみんなの食材庫を作ろうと思い、サンデールーム食材店KURAができました。

ところが、KURAを始めて驚いたのがイベントに足繁く通ってくださったお客さまのほとんどは来なくなってしまったのでした。なんか自分としては当てが外れてしまった感があり、マルシェが日常に根付いていない日本の文化を憂いたり、一方で日常にうちみたいな食材店を求めていた方たちとの出会いがあって、今日に至ります。カフェを始めた時もそうだったけど、やってみてあれれ??となること、求められていると思いきや勘違いだったなーと思うこともたくさんありますが、信念があれば、どうにかなるもの。そして、イベントより日常の豊かさと便利さを求めているのは誰よりも私自身であることを忘れずにいるということですね。誰かのためになんて思ったら大間違い、まずは自分のニーズを満たすためのお店なんですよねサンデールームって。

1999年の夏、街の中に行きたいなと思う場所ないねーって始めたのが、カフェサンデールーム。これ全然上から目線でなくて、行きたい場所がないというきっと誰でも感じているであろう至極当たり前の感覚です。場所というのはお店とか文化施設などでもなく、創造的な暮らしができる場所とでもいうのかしら?そのきもちに素直に、好きなようにさせてみての展開と繰り返しの連続は、まあまあ大変なこともありますよ。でも、なれあいでなく信念を貫くほどにほしいものに出会い、手に入ることも実感し、これお金の話ではないこともよくわかりました。小麦がなくなる、食糧不足、水不足、肥料不足、なんか不足不足という話題は尽きませんが、あるもので創造するトレーニングだけはこの22年実践してこれたかな。この夏、8月で23年目になるサンデールーム、久しぶりに日曜日にお店を開けるイベントいくつか企画しています。サンデールームのイベントファンのみなさま〜お元気にしていらっしゃいますか?久しぶりにお顔見せてくださるとうれしいです。また、日曜日でないと来られないという皆さま、8月7日と21日ご予定空けておいてくださいねー。