それにしても自然栽培ってほんとおもしろいです。まだまだ解明されていない神秘性に魅力を感じています。神秘性というの科学的に説明ができないので説得力がないとも言われることが多いですが実体験から話なので自分にとっては嘘がありません。自然栽培のもつ神秘性、野菜をみて感じる人もいるでしょうし、食べ続けての身体の変化で気づく人もいるようです。
神秘というのは勉強したり修行して理解するのではなく、人が持つ五感力を使うのがシンプルでわかりやすい。私の場合も見た目もあるし、手にもった時の重量感、食べた時の噛み心地、あと包丁を入れた時の手から背筋にまで伝わる感覚がそれまで食べていた野菜と違うことが何よりもの驚きでした。身体に振動が伝わる、あの感じ一体なんだろう?五感を通じて感じたことは私にとっては明確で、自然栽培がよい感じないはわるいということでもないし、決めることもしないし、ただ感じる野菜があることだけは私にとって真実なのです。
そうは言っても、五感がそれほど頼りにしてもいませんでしたし、自分の思い込みにしか過ぎないかとも思うこともありました。自然栽培を伝える時にわたしの感覚の話ばかりをするのも説得力にかけるから、もっと言えば販売のための宣伝に過ぎないじゃないかとなってしまうのがもどかしく残念なので、できるだけ感覚や感情に左右されずに理解をして説明をできるようになりたくて、9年前に自然栽培全国普及会に入り学ぶことを決めました。それからは全国各地の農地を訪問したり、田畑を見せていただいたり、勉強会での学びは私の五感で感じた理由の裏付けとなるものばかりでした。
五感で感じたことの裏付けとなったことは店での仕事でもたくさんありました。自然栽培と口では言っていても施肥している方がいました。または一般には肥料とはされていない様々な資材があることも知りました。例えば微生物資材などを入れたり、炭をつくって入れたり、減農薬や有機栽培を自然栽培という方もいました。初めのうちは、自然栽培というその言葉をそのまま信じてしばらくの間、仕入れをしたり、料理したり、食べてみると、農作物の違いに気づくようになりました。これを教えてくれるのが五感です。そして確かめてみると「〇〇を使用している」と言われたことがありました。それは自然栽培ではないと私たちは考えているので表示を変えて有機栽培として販売することにしたいけれど、その農家さんは自然栽培と言われるのでなんだか申し訳ないなあ・・・ということもある。それで取り引きをやめたこともありますが、こういった積み重ねと普及会での学びとが実体験と重なりあって、自然栽培の魅かれていた理由が最近になり明確になりました。
自然栽培の農作物は腐らないとよく言われます。それは作物に生命力があるから、わたしもこれまでよく言ってもきましたがそれだけではないと、何か違うなと感じる点が出てきて、それよりも神秘性という言葉の方がしっくりくるようになりました。他の言い方をしてみると霊気とか?農作物の持つ気配とか・・・。霊力が高いなどというとそんなまた大袈裟なと自分でもまだ突っ込みたくなる感じが否めませんが、高い低い、多い少ない、よいわるい、どっちがよくてどっちがわるいではなくて、ただ単純に「自然栽培の農作物は霊力が高い」これが今いちばんしっくりくる表現かなと思っています。