mico.kithen

11月は5日間ほどランチタイム、タイミングを合わせてご来店いただいた皆さまありがとうございました。12月は8日のみですがもしよろしければお出かけください。隔週開催の講座では講習料ごのお食事を給食のおばさん気分で楽しく料理させてもらっていますが、最近はスタッフがまかない作る日も増えてきたり、自宅でも夫が自分で食べるものは自分で用意するようにもなってきて、先日も鋭い指摘をあるお客様からいただきました。

「だんだんと料理の腕が下がりませんか?食材がよいと」って、その方は元プロのパティシエール、そういえば、近しいシェフにも言われたことがありました。料理の腕より、食材の質の方が優っていてというととても語弊がありそうで、表現難しいのですが、自然と調和して育まれた生命力のある農産物をさらに美味しいお皿にするためには、なんかこんなこと言っちゃうとアレですが人間性しかないのかなっていう気さえしてきています。あー、こわいこわい。カフェで料理作っていた時も、「農家さんから分けていただいた農産物の生命力を、邪魔することなく食べる人の身体に入れる」いつもただそれだけで料理をしていたものです。邪魔しないように、邪魔しない私になれますようにと自分に言い聞かせていました。私が有機栽培から自然栽培へ切り替えたわけは、実はこの辺りも大きいのですが、私が料理をするスタンスが有機栽培農家さんより、自然栽培農家さんの方が近しい感覚があったのです。

1999年にカフェとして始まったサンデールーム。カフェから、ランチをメインにした食堂になり、自然栽培との出会いをきっかけに食材店へと、店での表現スタイルは常に変化変容しつづけて、今があります。カフェ時代、食堂時代に毎日、毎週通ってくださったお客さまは、私たちが食材店へと大きく舵を切った時からご来店いただけなくなったりもしましたが、それでも当時からよく言われているのは

「サンデールームって、ぶれないね」

はい、ぶれません!サンデールームを始めた時の思いは今も変わらないでいるからです。時代と共に店のスタイルは変わります。これからの時代は、なくなりゆく職業もあると聞きますし、あたらしく生まれるお仕事もあるでしょう。そんな時代の変革期に、地球に生かされている私たちにとって変わらないことがあるとして、その一つが「私たちは食べたものでできている」ということ。サンデールームのブレないポイント、そのベースはやっぱりこれに尽きるかなあと思っています。

食べものとは、食材の栄養価や栄養バランス、添加物の有無、農薬や遺伝子操作や組み換えの問題に限ったことではなく、私にとってもっともっと、もーっと深淵なるものでした。神秘の探求、生命のことわりを学ぶために、毎日の料理はもってこいの方法でした。聖者によるセッションとか、瞑想とか、何か特別なことをしなくてもよかったから。一方で、料理のハウツー、料理の腕を上げる、時短クッキング、などなどはすでに情報がありますし学校もあるし、有料無料問わず、望むならばそれを得ることも簡単にできる、それはそれでとてもよい時代にもなりました。

人は生命を全うしたいから、そのために生まれてきた目的や魂のミッションなどを知ろうとしたり、何かを頑張って成し遂げようとしたりする人もいるでしょうし、それぞれの道を歩んでいますが、私はいつも思っていることがあります。もし何かに迷っている人がいたら、行き詰まっているとしたら、新しい道を探すのは一旦やめて日常生活の中に埋もれている道をお掃除してみるのがいいのではないでしょうか?日常生活の中に、実はそれらが全て網羅されているので、特別なことをして知ろうとしたり、悟りを得ようとしたりしなくてもいいのいいの。毎日の料理こそ、自らをつくる道を探す、もってこいの方法です。だって、私たち地球に生かされている人間は「食べたもので生きている」から。この1フレーズをどのように咀嚼するかでも、生きるステージはさまざまかもしれませんね。さて、みなさんはどのステージで、ご自身を表現しますか?

インスタのアカウントで、サンデールームで料理担当、星野充子のmiko.kithenをしています。12月7日(木)10:30〜13:00 「出し汁を味わい尽くす和食」をテーマの料理教室開催します。出汁の取り方、吸い物、煮物、お浸し、だし巻き玉子など、料理デモと試食しながらのお勉強です。よろしければご参加ください。