それって本当に旬ていうの?

気づくと10日くらい真夏日がつづいてき、40度近くいった日もありました。ニュースでは前橋の気温が出るそうで、県外の友人知人、海外からもお見舞いメッセージいただきました。おかげさまで、この気候にも順応し毎日元気です。

毎日の食事が自然栽培農産物に切り替わって10年以上過ぎました。それまでの10年は、いうならば「無農薬」「有機栽培」が基準で、添加物を極力排除した食材を選び食卓を整えることに労力を費やしていました。自然栽培的なものの見方に出会ってからは、考え方はある意味真逆になりました。ざっくりいうと、当時いろいろ食生活を気づかっていたオーガニックライフ期よりもはるかに、今のような気候変動にも、社会の変化にも、タフに順応する生命体になっている気がします。

それほど有機栽培と自然栽培に違いがあるの?と疑問を持たれる方も多いでしょう。ここで一度整理をしておくことをおすすめします。有機か自然か、これは農法の優劣ではなく、別ものであることをご理解いただければと思います。化学でも有機でも、肥料を使用することで植物の営みや生育を人為的にコントロールすることができます。これが今までの農業の役割で、否定するものではありません。自然栽培では、農家が自然をコントロールしようとしないので、見方によっては弱きものの行いと目に映るかもしれません。肥料で育っている田畑の景色を見慣れた方には自然栽培の田畑は色が淡いし、弱々しいと感じる人も多いかもしれません。ところがですね、大自然を自分たちにはコントロールできないことを知っていることは強さです。これ、昨今のウイルス騒動にそのまま置き換えて考えてみても然りです。

この10日間の猛暑のなかの作物の育ち具合をお世話になっている農家さんがFBで記事にされていたので、紹介します。「毎年この時期は豊作ないんげんもこうも暑いと受粉できないのか実のつきがよくないがつるは元気。ナスも受粉できないのか、実がつかないが根は元気な様子。葉物は高温というよりかは極度な乾燥で生育が止まり、トマトも樹は元気で実もいっぱいついても高温で色がつかず、青い状態が続く。そんな中、きゅうりは実もつくし大きくなります。水がなくてもよく生育している」これは自然栽培の畑だから顕著なわけで、一般栽培ではこのような症状が出たり、出る以前にあれこれ画策をされていることでしょう。おそらくここまでの変化に気づき、見守ることなどしないのが農業ということなのでしょう。でも、自然栽培農家さんのこのような観察は、来年や再来年今後の農にきっと生かされることと思います。よく見ること、感じること、そうすることで農家さん自身も自然の一部ですから自ら行動が変わっていくでしょう。自然栽培の醍醐味、ここにあり!な感じですね。

化学肥料の価格が値上がりしているニュースの一方で、肥料の効果がなくなってもきているという話も聞きますが、化学でも有機でもどちらも「肥料」という考え方には変わりありません。そして、自然栽培は肥料で作物を育てるという考えではないのです。ここポイント!有機栽培だから安心、無農薬だから安全というのが自然栽培ではないというところ、ここ理解していただければと思います。近年、人為的にコントロールされた農産物より、自然なものを食べたいという人が増えてはいるものの、人は自然と離れ過ぎてしまったため、何が自然かを判断することが出来なくなってしまいました。そのため、無農薬、有機、オーガニック、自然栽培を、言葉のもつイメージでしか捉えられなくなってしまっている現状があります。今日本で、全体の5%が有機栽培を選んでいるとよく言われていますが、これは私たちが選んでいるというよりは社会の仕組みが5%なのだけで、選んでいる人など果たしているのだろうかと疑問がわいてきます。

自然栽培はちょっとしたブームにもなっています。ネットで検索し訪ねてきてくださる方も日毎に増えています。店頭に並ぶ農産物をご覧になるとお分かりと思いますが、まさに旬の野菜だけしかありませんから、初めて来られても買い物の仕方に躊躇することになるのではないかな。最近もこんなことがありました。自然栽培に関心もって来たという方が「今時期は長ネギがないので買えてよかったです」と喜ばれていましたが、栽培方法を問わず今時期に多く出回っている玉ねぎやじゃがいもにはあまり目をくれません。巷のスーパーや産直で出回っているものは一見同じように見えてしまうムードが地方にはあり、新鮮とのイメージもあってここが曖昧なのです。都市生活者の方が自然栽培農産物を食べる機会をご自身で選択しているなあと思ます。地方は自然豊かで暮らしやすいと思いきや、果たしてそうなのかと、いつも疑問に感じるところです。

ここからは今後のサンデールームの課題です。

あるものを食べる、あきたら料理を工夫して自分が食べやすいように創造する。農薬肥料を必要としない、自然に順応して育った農産物を食べたい私は、自然を尊重し、順応するセンスのある農家さんを応援したい。自然界をコントロールするのが上手な農家さんではなくて。そう意味ではサンデールームに入荷するものを極力余さず食べることにしています。きっと、これが今私の食べるべきもの、自分が食べるものを選ぶというよりは畑に私を合わせている感覚です。家庭菜園や自給的な暮らしをしているよりも、しているようなモードで生活をしているので精神的な安心感が得られます。頭で何を食べようかなど考えるまもありません。自然界からめぐまれたものをただ食べる、これサイコーです。きっと未来はこういう食がメジャーになるでしょう。自然栽培は未来を早々に示唆しているようにも思います。できるものはできるし、できないものはできない。私はそれはとてもよいこと、自然なことだと思っていて、できなければ食べなければいいという考えです。肥料でコントロールすれば生産でき収穫でき販売できるから、経済は回る。でもそんな経済の回し方に全く関心が持てないのです。

先週はきゅうりとレタスとキャベツをひたすら料理しました。レタスは毎日1玉をサラダにして食べました。レタススープにもしました。キャべツはコールスローサラダにすると1個軽く使えます。よくキャベツをカット売りスーパーでするのを見かけますが、ご存知自然栽培の農産物は腐敗しにくく、日持ちするので例え家族が少なくても冷蔵庫さえあれば1個2個買って一月くらいかけて食べればよいのです。マヨネーズに塩と米酢、ホワイトバルサミコで甘みを加えてもおいしいです。1週間くらいなじませたコールスローサラダはほんとおいしいです。きゅうり2キロはきゅうちゃん風の漬物に。自然栽培のきゅうり、キャベツをこれほど多く食べられるは初めてで感動と驚きつつ、来年あると思ったらわかりませんね。レタスはあたらしい産地から、新規就農の若手の農家さんから、やわらかい高原の息吹を感じつつ、応援の気持ちで毎日いただいています。

ということで、今の気候にはきゅうりを多く食べようってことが大自然からのメッセージ。昨年なすをいっぱい食べたから今年はよいかな〜、トマトも2年間冷凍トマトもたくさん食べてこられたし、今年少なかったらそれはそれで・・・・自然順応すると時間的な感覚が変わるので、未来予測も人間目線とはだいぶ変わるように思います。身体におきている不調や症状の捉え方も変わります。今週は涼しい予報でしばしほっとしつつ、植物も人もどれだけこの自然に順応できるかを今一度問うてみてみようと思います。旬のものを食べましょうと言われる、旬のものとはこの何十年もの間、肥料農薬でコントロールされたものを指していました。それって本当に旬といえますか?人間が自然をコントロールできるという考えでの地球の「旬」もそろそろ崩れかけていることもうお気づきですか?安心や安全、顔の見えるというどこか耳障りのよい言葉だけでは食の本質に近づくこともできません。サンデールームはこれからも、自然な農産物を今よりもっと多くの方々にしっかりと手渡すことで、自然のエネルギーで育ったものを自らが選ぶのではなく誰にも分け隔てなく与えられる素敵な世界を目指してまいります。望むならば、誰にでも!

今日もまた長くなりました。いつもお付き合いいただいてくださる皆様ありがとうございます。質問、ご意見、私はこう思うよ〜などまたきかせてください。またサロンでお会いしましょう!

11あなた、稲倉 哲郎、他9人