冬至の祈り 角田祥子
つめたい北の風がわたしたちのムラをとおりぬけていくとき
ヤミがいちばん大きくなるころ
ヒカリのちからがよわくなって
不思議なちからがよみがえる
大地のちからがうごきだす
長いよるは不思議なちからが大きくなるから
ちいさな灯りをともして
不思議なそのちからに向かって
わたしたちは祈りをささげる
その祈りによってさまざまな道具をつくる
祈りのちからによる道具たちは わたしたちのちからを
もっとおおきなものにして
もっとただしいものにして こころをみちびく
うららかなひかりあふれるときへ
あのやわらかなみどりの草のめぶきが
はいいろの大地をおおいつくすときへ
すべてのいのちがあふれる
あのときにむけて
長いよるの祈りは
わたしたちを みちびく