本能的に自分のことを守ってくれる服を探してはいたけれど、年頃になるとデザイン性も重要になってくる。高校生までは綿100%を目安にしていたけれど、20歳を過ぎたらなんとなくこどもっぽいように思えて、少しドレープの出るようなとろ〜んとしたテレテレした、光沢のあるものを纏いたいと考えていました。百貨店でこんな感じかなと思い購入して着てみると、デザインは別として身体は喜ばないし、きもちも上がらない、というか偽物のわたしを演出しているのが何よりも嫌でした。今思えば、当時求めていたのはシルクの服だったのですが、わたしが選んでいたのはナイロンやポリエステルの服だったわけです。身体がくるしくてね、学生時代の四年間くらいはそれなりに取り入れて楽しんでみましたが、すぐに飽きました。
そんなこんなで化学繊維を着ないですむ職を探すことも今の仕事につながっているかもしれません。木綿100%でOKな世界。ところがですね、食に携わり、自然食というジャンルに出会い、そういった店に併設している書店などでいろいろな情報を集めるようになると、綿の栽培に使われる農薬が地球全体の農薬の60%以上を占めていることを知り衝撃を受けることになりました。食べ物には農薬使和ないものを選んでいるのにに、自分の心地よい服のために農薬を使っているなんて?それはちょっとまずいでしょ、となり、オーガニックコットンの服を探すのですが、ここでまた幼少期の時と同じようにデザインを求める事ができなくなってしまう。というよりは、質感の心地さとデザインの素敵さを天秤にかけてどちらを取るかというと、質感だったので仕方ありません。でも耐久性やなんやら、質感はいいけれど衣服としてどうなんだろう?と疑問も多くわいてきました。なぜかというと当時のオーガニックコットンの服は環境活動や人権問題に対する活動の一つでしかないのだからで、これはアパレルのみなさんの力を借りないことには、無理だろうと思えるものが多くありました。時代が変わり、一時はオーガニックコットンブームは幾度となくありましたが、継続はしているのかは甚だ疑問でいい加減にもう少し勢いが増していってほしいと思います。
環境活動とか、人権問題とか、社会貢献とかに置き換えずに、もっとふつうに。自然なものを求めれば、心地よいものを欲すればいいだけなのになあ。価格の問題もあり、まだまだ広がりはゆるやかではありますが、「衣からの自然」と大それたテーマを掲げ、今週もサロンをオープン、どうぞ心地よいにふれていただけたらと思います。