12/18  めくるめく未来に向かって

毎週木曜日に福島から買い物に来てくださるお客さまがいて、もうこのペースは一年以上続いています。宅急便で送ることできるのだけれど、そのお客さまは多分店内でいろいろと感じながら、並んでいるものたちと対話しながら、時には私たちスタッフとの会話もしながら1週間分の食材を買っていかれます。

食材店をはじめたのは今から10年前になります。その当時の目的はまずは自然栽培の農産物が近くで買えるお店がなかったのでまずは私たちがお店で料理したいのと毎日食べたいという理由、そして地元に自然栽培農産地ができるようにという願いもありました。おかげで毎日あたりまえに自然栽培の農産物を食べられるようになって、でも農産地まではまだまだ遠い道のりです。そりゃそうですよね、自給ではないから食べる人が増えない限りは産地などできるはずがありません。ということで、食べる人を増やすことが今はお店を続けている大きな目的です。

こんなお店でも近くにあったらいいよね、と言われたりして、そうそう一つの街にひとつ自然栽培の食材店がある未来を当時も今も願ってはいるのですが、最近になって考えが変わりはじめています。オンラインでも買い物ができ、食材店は近くになくてもいいんじゃないかな。昔みたいに冷蔵庫がないような時代なら、それこそ豆腐屋が近所にないと暮らしが成り立たなかったけれど、もう食材なんて近くで手に入るようなものでは無くなったのではないか?豆腐の大豆でさえ、外国から輸入したものなんだから、当たり前です。

近くで食材を手に入れるような暮らしをしたいならば、そういう街を選ぶとか、または自給に近い暮らしをするとかね。これだけ人々が多様化していると私が少し前に描いていた未来の街像はリニューアルしないと次なる一歩は踏み出せないと思うようになりました。まだその一歩は踏みさせずにいますが、それだけ2年の変化は大きなことでした。人が農産物を選んでいるのではなく農産物の方が選んできていくれている、そんなことも時々言葉にしてきましたがいよいよそんな時代です。

明日は栃木県の大田原市で自然栽培普及会のブースに立ちます。農産物は地元農家さんのものを扱うお店さんが多く出店されているので、自然栽培の加工品と天然菌発酵の調味料を紹介するのと活動紹介がメインになります。足利に工房をもつヒュッゲさんに焼き菓子の販売もお願いしています。自然栽培の小麦粉のお菓子屋さん、ありがたい私たちのパートナーです。地道だけれど、これからも自然栽培農産物を使って加工してくれる職人さんたちとの出会いは望むところです。明日もよき出会いがありますように!