高校時代(女子校でした)同人誌みたいのを作っている、オタクな人たちが「締め切りに間に合わない」と言っていたのを聞き、変な人たちと思っていた私。「締め切りとか自分達でつくっておいて、間に合わないってさ、オタクってほんと自作自演好きだよねー」と。でも今はよくわかる。人生はすべて自作自演!!締め切りに間に合わないのが日常茶飯事、締め切りに追われて日々を過ごしています。こんな私には、早くしなさい、しっかりしなさい、ちゃんとやりなさいという自分以外の人からの言葉が力になる。そうでないと、寒いだけにこのまま眠りに入ってしまいそうです・・・
さて、今日のお題は「いろいろ食べたい」について。宿の朝ごはんの献立といえば、ごはんと味噌汁、焼き魚、卵焼き、納豆、煮物、漬物というのが定番といったところでしょうか。この定番はビジネスホテルでも温泉旅館でも至るところで見られ、この定番はいつから始まり、いつまで続くのかなあとふと思いました。定番の和風朝ごはんに、サラダ、ハムかベーコンなどの加工肉、佃煮、ヨーグルトもついたり、コロナ前まではビュッフェの朝ごはんが増えていく一方でした。並んでいる料理の中で既製品でなく、宿で作られているの品はいくつあるのかとか疑問がわいてくるほど、ビジネスホテルチェーンだけでなく、ハイクラスのホテルや旅館でさえ、漬物はおろか、だし巻き卵やきんぴらやひじきなどの副菜、サラダのドレッシングを自家製してるところ、品数が増えるほどに少なくなってきているのではないかな。「いろいろ食べたい」を叶えてくれる定番の和風朝ごはんを用意するには、は理のできる人が一人いれば十分で、あとはうつわに品よく盛り付けができるとか、手際のいい人がいてくれさえすれば可能です。料亭の修行時代にやっていたこと、50くらいのお弁当だったら卵焼きを5本焼けばいいけど、100予約があれば卵焼きだけ焼いているわけにはいかず既製品を買うことになる。一番下の見習いの私がいつもより卵焼きを5本多く焼くために早く出勤すればいいけれど、そういうのはもっと昔の話なようで、そもそもほぼお小遣い程度のお給料はないよという立場でもあったので、卵焼きを焼くために早く出勤しなさいと板長も社長は言わず、他にもたくさん仕事はあったので、自然と既製品の卵焼きを買うとなっていった経験がある。手作りの卵焼きと、既製品とでは全く別物、どうにもできなかったあの時のきもちを飲食店で提供される既製品の料理を見るたびに重ね合わせてしまう癖が私にはあることに気づいた。
話は戻り「いろいろ食べたい」について。
でも、これって消費する側のニーズともあっていたのですよね。少なくとも今までは。でもどうでしょう?家庭では用意できない「いろいろ食べたい」を満たしてくれる宿の朝ごはん、結局は既製品を並べることになっているという現実。失礼な物言いになりますが、既製品をそのまま、もしくは温めて提供した料理を提供することって必要なのかなあ・・・?と今までの私は思っていたのでした。ここからが最近思い始めていることですが、仮にもし必要だとしたら、既製品の料理のクオリティを上げていくことができたらいいということです。というのも、自然栽培の農作物は適地適作で旬のものしかないから、収穫時にはどうしても余剰してしまうことがあります。今ではまだ年間通して度々にしか起きていないことだけれど、近未来にはそれが起きてくるだろうと推測できます。その農産物を冷凍にしたり加工したりして、既製品の料理にできたら、宿の朝ごはんを食べるときにどんな感じがするだろう・・・これ、体験してみないとわからない。これまでは相入れない感があって、想像もできなかったけれど、自然栽培の農作物で料理する人が増えていくより、既製品の料理の質が上がっていく方がもしかしたら早いかもしれず、一人の料理人ができることには限りがあるので、自然栽培の農産物は収量が上がっていく一方だとすれば、加工品にし既製品料理を提供してくれる場が増えていく方が多くの人の口に、身体に自然栽培の農作物を届けることができる。