サンデールーム初期、細々と10年は畑を続けていました。苗や種をホームセンターで買ったこともありましたし、無農薬の種をインターネットで探して買ったり、いろいろでした。ホームセンターで売っている種の袋の裏側には原産国が外国で違和感をもちつつ、カフェの仕事もあり、情報を集めるにもなかなか容易ではありませんでした。
そもそも、カフェのランチで使いたい食材が市場や店では売っていない、ならば作ろうとなったものの、栽培するという気持ちは中途半端でした。夏野菜のナスやきゅうり、ゴーヤ、紫蘇などは自家栽培できて、玉ねぎや白菜は本当に小さくしか育ちませんでした。近所のプロ農家さんに「そんなちっさいのしかならんかー、これやるよー」と見かねていただいた見事に大きな白菜やら玉ねぎよりも小さいけれどみっちりずっしりしているサンデー畑の方が断然美味しくて、これはかなり勉強になった出来事でした。
慣行栽培、有機栽培、自然栽培などの違いをよくわからず、ただ感覚だけで時々農業の本などを読みながらやってみて、気づいたり、問題意識を持つきっかけになった私たちの畑経験でした。肥料を使わない野菜の味が美味しかったこと、実った作物の種をとって翌年蒔いたら同じような実がならないことも実体験で学びました。やつがしらは種をつなぐことが上手くできて、お節料理のお煮しめに使うのが恒例でした。やつがしらに出し汁を含ませ、甘く濃く味付けても、淡い味に仕上げてもどちらも美味しく、味が決まる。素材の持ち味は大切であるとこの頃から実感し素材がよければ料理することがとても楽でした。味をあれこれ加えてつけなくていい、素材の味を生かす料理がベースになっていきました。料理の腕を上げるよりも、なるべく自分を入れないように、クリアで美味しい野菜、食材探しへと意識がふくらんでいきました。

