サンデールームとは①

8月にオープン26年目になるサンデールーム、思えばあっという間の年月でした。当時は日曜日の昼間に、両親が営む飲食店を間借りしてカフェを始め、見切り発車もいいところで始めたらお客さんは来ないし、メニューも安定しないわで、翌年1月から平日のランチをメインにごはんと味噌汁、野菜の惣菜数品を出す日替わり定食屋として商売を営んでいました。祖父母の代から食堂をしていることから、根っからの商売人家系とはいえ、いざカフェを始めるとなるとそれは全く別ものでした。場所と店舗は先代から譲り受けたとて、業種が違うので蓋を開けたら起業したようなものでしたから何もかもが1からのスタートでした。父は市場と近くの八百屋さんから食材を仕入れていましたが、私たちがサンデールームで提供したい食事や飲み物に使う材料が近くでは全くと言っていいほど手に入りませんでした。コーヒー豆を探して、隣の県に仕入れに行ったり、お米と野菜を育てる無農薬の農家さんを探したり、野菜がないので最初は畑までも始めてしまいそれはそれはてんてこ舞いという言葉がぴったりなサンデールーム初期、1999年から2005年くらい。当時の私は忙しく働くことへの疑問を日本人は働き過ぎだ、フランス人は夏に1ヶ月くらいバカンスをとるらしい、パリは夏の間ほとんどのお店が休業するらしいという俄な情報を鵜呑みにし(一部では正しいけど)、サンデールームの店自体を1週間夏休みをするとか、1ヶ月休もうとか、オンとオフが明確な暮らしに憧れ、そこが思うようにならない自分自身の問題を日本人の労働環境に問題があるということに置き換えて、何か社会に抵抗しているようなところがありました。今、まさに参議院選挙まっさい中ですが、聞こえてくるのは消費税減税、社会保障、賃金を上げるなど当時から変わらない候補者の発信にうんざりしている方も多いかもしれませんね。てんてこ舞に働いても、お給料がよかったり商売が儲かったりするとかは特にないし(それは政治でなく自分の問題)、社会保障においては私は医療費は当時から0円なので、道路や公共事業や他諸々で大変お世話になってはいますが納める税金は多くて厳しい〜と思う方が大きくて、政治の恩恵を感じにくいことから、政治への期待は薄れているのが正直なところです。なかなか変化させにくい大ごとに取り組もうと政治を目指す人たちは勇ましいと思いますが、話を戻しますと、そういった政治的な大きなことに直接的な働きかけはできないけれど、ほぼそれは自分自身のあり方を政治に投影して不平を感じているよりも、小さくても自分の暮らし、仕事、考え方を改善していくことに興味と行動をしてきた26年がサンデールームにあったように感じています。

8月1日まで、少しずつサンデールームとは何かを今の私の目線から綴ってみたいと思います。写真はサンデールームオープン時に作った数枚のチラシ。