サンデールーム 仕事と暮らしと

一方、当時の私は忙しく働くことへの疑問といいますか、深夜遅くまで働く両親を幼少期から見ていて飲食店の労働は大変過ぎてとんでもないという思いがつよくありました。フランス人は夏に1ヶ月バカンスをとるらしい、パリは夏の間ほとんどのお店が休業するらしいという情報を鵜呑みにし(一部では正しいけど)、サンデールームを1週間夏休みをするとか、1ヶ月休もうとか、オンとオフが明確な生活に憧れ、そこが思うようにならない自分の問題を日本の労働環境に問題があるのだと社会に抵抗しているようなところがありました。

カフェという飲食店でありながら、それまで私が知っていた事業形態とは違う形を模索していたと思います。毎日畑に行き、野菜を収穫、店に行ったらお米を炊いて出汁をとり、惣菜を作り、日替わりランチを提供する。それは仕事であるけれど、なるべく自分たちの生活と同じようでありたいと思いました。日常の延長に仕事があり、自分たちが食べるものをそのままお客さんにお出しする。仕事が先でも暮らしが先でもなく、どちらも同等でありたいと思いました。

農家さんと深く関わるほど、農業や食料の自給について課題は山積み、地球環境への配慮に急を要すると感じることは当時も今も変わりません。とはいえ、一人ひとりの暮らしと仕事のつみかさね、集合体が社会であるならば、問題に気づいたらできることから改善をしていくこと、理想に向かうことをあきらめないこと。その実践の場がサンデールームでした。