New micolumn

オーナー
星野充子

sundayroom galleryのこれから

サンデールームの2階にカフェがオープンするのが4月18日になりました。カフェスアーヴ前橋は食材はサンデー1階で調達してくださいます。これまでのサンデーのメニューとは異なる、自然栽培の小麦粉や野菜の料理をお楽しみください。私もとても楽しみにしています。

2階はカフェスペース半分、残りの半分は今まで通りsundayroom galleryとして、常設は肌着を中心にした生活着や寝具など布ものを展示販売していきます。4月は2つの企画展がありますのでぜひ足を運んでみてください。

on sundayroom gallery 2024

vol.1 スワラジスタン 国境のなき伝統服展

vol.2 KIKUYAヘンプフェア

綿、麻、絹からできた衣服の販売をするようになって初めて知ることは多くありました。気づいたこともありました。幼少の時から、服のデザインよりも布の風合いや織物の質感、靴下やタイツの肌ざわり、タオルの起毛の滑らかさなどが非常に気にする子供でした。今でも当時の服を頭に浮かべると、肌に残っている記憶がよみがえってくるようで、特にパンツや肌着は綿ではあったけどオーガニックではなかったから、「やわらかさが足りないな」そんな感覚を思い出します。そんなこんなで、同じ自然素材であっても、栽培方法や製造過程で出来上がったものに差があることも仕事をするように知るようになった事実です。消費者の時にはそこまで知る機会はありませんでしたから。03wearという衣服のショップをサンデールームに作った2012年から、徹底して肌ざわりや着心地のよさ重視で商品セレクトをしてきて、耐久性とはまた違う意味合いでの経年使用心地があることがとても大切だと感じるようになり、流行や経済優先のファッション合理性にはほとんど気持ちを向けることはなく、綿の栽培方法、大麻はどこの国で栽培され製糸されて糸にしたのか、糸から布へ、布から服への製造過程でおこなわれていることもなるべく知りたいと思うようになりました。心地よいものを着たいという欲望からの探究心ですから、なかなか思うようなものがないとしてもそれはそれで、製品を否定するわけでも現状のファッション業界へのアンチテーゼでもなく、現状で満足しない感覚があるからこそ細々とでも続けることができています。

周知の通り、ファッション業界は環境にとってそもそも有害な存在です。これはファッションだけでなく、農業や食品加工も同様に言えるかもしれませんが。大量の資源や原材料を消費するうえ、製造工程でも二酸化炭素を排出し、薬品を多用し水を汚している。またファッションにおいては海外の工場で働く労働者が低賃金であるから今のように大量衣服を生産できて、セールしてもそれでもメーカは成り立って、そのうえ私たちは安価な衣服を日常的に簡単に購入できてしまう仕組みが依然変わらずにあります。食品よりも、製造過程が多くて複雑なため私もそうであったように消費者には見えない部分が多過ぎて、知りうる機会がフェアトレードや環境活動とかの方面からしかないし、そして何より安価で手に入りやすい衣服との価格差が大きいこともあり、食生活を変えようと軽くいう感じで「衣生活を変えよう」ってならないという現状があります。

でも、これってかえってよいことかもしれないです。気軽に変えられるものではないからこそ、興味深いところでもあるのです。ファッションというのは流行やブームを追っていたとしても、そういうものに左右されずにいたとしても何らかのこだわりで選んでいるように思います。つまりは表現だったりする。その人の生き様が現れているとも言えます。だからこそ、そうそう簡単に服を変えることなんてできないわけです。

自然素材の衣服も農産物ですから毎年素材は生産されます。食べる農産物同様に着る農産物も田畑や種の継続性を考えれば、毎年安定して多く仕入れていかないと生産者もきびしい。衣服という農産物もお米のようにとまでは言わなくても、生産流通消費の循環をスムーズな流れであってほしい。自然素材の衣服を選択する人が増えないのには、きっと価格だけではない何か別の原因があるようにも感じて、その追求に不思議とワクワクしています。そして、私はやっぱり布が好きで服が好きで、特に肌に触れるランジェリー含むインナーが大好きで、好きなブランドのショップ店員さんに「オーガニックコットンのものないですか?」「これでオーガニックだったら欲しい」とか言ってみたりしてきたんです。その度に「糸がないから」「オーガニックコットンだとこの色合いが出ないから」とかできない理由を言われたり、「肌が弱いんですか?」と聞かれたら「別に強くはないけど気持ちよい方がいいし、畑に農薬とか除草剤使ったりしたりそれって生産者に悪くないですか?土も地下水も汚れるし、それで自分だけかっこよいファッションとかってカッコ悪い気がしちゃって嫌なんです」と思ったままに伝えると、店員さんも「確かにー、そうですよね」と話になったりして。数年が経ち、無理と思っていたそのブランドのDMでオーガニックコットンが使われるようになったのを見つけて「やったー」とうれしく思っています。

これからも、心地よい方へ。あきらめずに続けていこうと思います。sundayroom galleryでの展示会も今年からは企画展を基本とし、自然素材の衣服の販売場所としてだけでなく、サンデールームの軸となっているハーモニックライフスタイルにふれて感じていただけるような企画も同時に開催していこうと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。