3月11日 ごはんの日をさせていただきます。

農閑期におこなわれる農家さんの大切なおしごと、
豆の選別。毎年毎年、種をとりつづけ、つなげてきて
くださった、大切な大切ないのち。

そして、麹もたくさん入荷しました。
味噌蔵さんに棲んでいる種麹菌を自家採取するという、
昔は当たり前にあったけど今はほとんど皆無に等しい技術、
伝統を復活させた味噌蔵さんの麹です。

発酵食品がすきな、私たち日本人。
毎日の美味しい食卓に、そして健康のためにとの思いから
積極的に発酵食品を取り入れる方も多いと思いますが、
現在、スーパーマーケットや自然食品店で売られている
お味噌は天然の菌だけをつかってるのではないことを
ご存知でしょうか。

私はこの話を初めてきいたとき、愕然としました。
それまでも手作りで味噌を仕込み、美味しい美味しいと
喜んで食べていましたから。味噌を仕込む菌が天然のもので
なかったなんて、想像することもありませんでしたから。

味噌作りに使う麹菌が天然でなかったなんて!
じゃあいったい本来の発酵食品ってなんだろう?

発酵食品をつくるための菌がいくつかのメーカーで作られ、
遺伝子操作や薬品を使って作られていることを知る一方で
天然菌という世界があることを知った、2011年2月のこと。
たしか節分の日だったと記憶しています。愕然とした思いの一方で
心の奥では何かひとすじの光のようなものがうっすら見えた日でも
ありました。

私が今までこれでよし、と思い込んでいたことを一旦リセットし、
このひとすじの光の方へ歩もうと決める後押しとなったのは
3月11日の震災でした。たくさんの犠牲者をだし、今もまだつづく
問題も山積みの出来事。当時も今も、私の頭で考えたら途方に暮れる、
それどころじゃない、思考停止になってしまう出来事なんですが、
心の声にしたがうこと、それしかないってことを、震災がなかったら、
私は気づくことはできなかったんじゃないかな。今のサンデールームも
食材店KURAも震災がなかったら、うまれなかったかもしれません。

お味噌作りから、天然菌の話、震災の話。。。
とりとめなくなってしまいましたが、あれから5年が過ぎようとしています。
3月11日、悲しみや苦しみや、たくさんの課題、先送りにできない
山積みの思いをすべて、感謝のきもちにかえて、ごはんを作らせていただきます。

サンデールーム2階にて、ひとすじの光の先にあった
食材たちとともにみなさまのご来店を心よりお待ちしております。

星野充子